フィールドスタッフブログ
2018/11/29

『[琵琶湖のシャローから] "The Flipper"- 発売にあたって④実践編/トーナメント活動終了のお知らせ』 (中村 大介)

みなさん、こんにちは。

The Flipper解説編、最終回です。

 

 

その前に一つ、自分のことでお知らせです。

この10年、琵琶湖のトーナメントで自分の釣りを磨いてきましたが、今期の活動で、それを終了することに決めました。

 

 

 

もともと考えていたことではないのですが、このホーネットスティンガープラス -The Flipper-を完成させて、それで成果を得られたこともいい節目になったかもしれません。

ここまで成績も、釣技の向上も、竿含めて各種道具立てを煮詰めることも、いろいろな手応えがあり、

また、琵琶湖での大会がホームとして馴染みになってきたのは嬉しいのだけれども、挑戦が足りないように感じ始めました。

ここからは、バスフィッシングよりも、自分自身のまだ見ぬ景色、まだ見ぬ魚への挑戦をテーマにします。

(バスフィッシングと、トーナメントも、好きですし、原点ですので、琵琶湖オープンに遊びに行ったりはしようと思いますが。)

 

ということで、”The Flipper”の実践編、釣りにおいてのポイントを余すところなく、書き残しておこうと思いますので、少し長いです(いつもですが)。

釣りにおいてのポイント、というのを以下の3つにまとめてみました。

1) 使うロケーション

これは、The Flipper解説編の初回に重なります、現代フリッピング、と言わせていただいた、このタックルでしか手が出しようがないヘビーカバーへのアプローチを意図しています。

ただし、広くバスフィッシングを捉えた場合に、この言い方はちょっと乱暴なところがあって、フリッピングもバスフィッシングの一部、つまり魚の存在が大前提です。

魚が居ない超ヘビーカバーにフリッピングしても何も釣れません(当たり前ですが)。

というと、すなわち、カバーの存在の前に、まずは地形ありき、そして季節感を中心とした魚の動き、です。

そういった、魚が居る場所のヘビーカバーで言えば、おおよそのアプローチに適しています。

僕は琵琶湖のマット系のカバーでの使用が多いですが、正確なアプローチが可能なセッティングですから、複雑な3次元のカバーであるブッシュを釣るのも強いし、長さを活かして背の高いアシ奥へのウエッピングも、また入り組んだテトラの奥中を釣るにも。

 

2) 使い方

前述のように、また、当然ながら、広く言ってのカバーに対してのフリッピング(正確にはピッチ&フリップ)のための竿です。

その釣り方の一部であるウエッピングとか、パンチングも(共に上に投げ上げる感覚が入りますが、やっていることは一緒ですから)もちろん想定している使用範囲です。

ただし、私自身の感覚として、琵琶湖であっても1/2oz〜1.2ozくらいが、一番「釣れる」ゾーンであるので、そこへのマッチを図っています。

ですので、あまりに軽いところ、また2.5ozなどの極端に重いところは、使っていての快適さが下がります。

ともあれ、現代フリッピングとして、どんな投げ方であろうと、濃いカバーの中を釣っていき、そこで掛けた魚に対して、思い切って竿を曲げて、その戻ってくる力でカバーから魚を引っ張り出す。

それがこの竿の使い方です。

 

3) タックルバランス(糸・ハリ・リグとルアー)

・糸

これまた、初回に触れていますが、現代フリッピングのための竿として、組み合わせで一番念頭においている糸はブレイデッドライン(いわゆるPEライン)です。

この糸と組み合わせるゆえに、竿には、糸の強さ、伸びの少なさ、またしなやかさや表面の抵抗を念頭に置いたブランクスとセッティングの必要があったわけです。

そして、もちろん私はスパイダーワイヤーインビジブルブレイドがこの釣りに一番合っていると思うので、近年でブレイデッドではこの糸以外は使いません。

組み上げた後に熱処理をしているのがいいんだろうと思います、表面の滑らかさとかハリの強さが実戦で役に立ちます。

太さは65lbの規格です、この釣りの場合、耐摩耗性や結節、耐衝撃性に対しての太さが鍵なので、同じ太さで表記の強さ(Lb数)がより高い、といった要素は全く関係しません。

また、アシやブッシュ、さらにはテトラポットを釣る場合では、フロロが出てきます(ナイロンもありですが、僕は表面の硬さや糸の直進性から、フロロが優先です)。

The Flipperは、よく曲がってくれる特性からフロロにもしっかり対応する竿です。

この場合、20lbでもいけますが、できれば25lbを使うことで躊躇なくフッキングし、魚を引き出す釣りが可能になります。

 

・ハリ

今回は、竿について書いていますので、竿との組み合わせという意味で糸を先に書きましたが、魚釣りにおいて、真っ先に考えるのは本来ハリです。

ここではハリを単体で考える(ジグヘッド=ラバージグを割愛して)と、フリッピングにおいては、基本ストレートフックで決まりです。

早く、深く針先が立ち、口の中の深い位置にしっかりと刺さる率が高い、この形状です。

さらに厳密には、ストレートフックの中にも色々な形状がありますが、現在の私のファーストチョイスは、いわゆる日本伝統の「袖」型、

シャンクとポイントが並行、もしくはやや開き気味であるものです(ヒネリではありません、ヒネリは力が逃げます)。

このハリの形状に込められた意図は刺さりの早さと深さを重視しているということ。

ですが、もし、魚が非常に活性があり、数が釣れる中からサイズを選べるような展開でしたら、いわゆるネムリバリを選びます。

つまり、絶対のハリ、というのは存在しません。

ですから、縄文時代からハリの形状はたくさんある(と同時に古今東西で大まかには似た系統に整理されていく)わけです。

 

ということで、このハリが絶対、という整理はできませんが、一つ、この手の釣りで、しばしば耳にするハリに対する間違った認識は「このハリは魚が釣れた後で外したら伸びてたからダメ」というようなものです。

この釣りは、かなり強引さ、無理のある釣りです。その帳尻はどこかに出てきます。

竿が折れる、糸が切れる、ハリが折れるなどで、魚がキャッチできないこと、あるいは伸びず折れないことをハリの形状や太さに求め、結果、フッキングに至らなかったり外れたり、に比べると、キャッチできたけど伸びた、というのは小さな問題です。

常に、ハリは二律背反。

完全に伸びず折れず、早く深く掛かるけどバレない、というハリなどは存在しません。

求められるのは、そういったことを認識した上で、ハリを知り、そして意志を持ってハリを選ぶことです。

 

・リグ

リグは、基本的なテキサスリグが、この竿においての前提です。

障害物をすり抜けてカバーに入り込み、またバイトが無ければ、綺麗にカバーを抜けて次のキャストに移れる。

あるいは、シンカーごと吸い込まれたバイトに対して、早くフッキングし、その状態でカバーから抜けてくれる率。

そういった全ての要素の平均点が高いからです。

最近の色々なリグには、すり抜けや食わせる能力をより重視したものがあるのは承知ですが、あくまでこのタックルでしか手を出せないことが狙いのフリッピング。

その強みを活かすには、あくまでテキサスリグでそれを正確にキャストすることで、すり抜けさせ、またバイトに持ち込みたい、ということです。

 

また、ブラシガードされたラバージグはまた、出しどころのあるルアーです。

強みは、空中での姿勢が安定しているので3次元のカバーに強いことと、一度フッキングするとブラシの作用で外れにくいことです。

スイミングの姿勢もいいので、中層でのバイトに対するフッキングの良さもあります。

弱みは、水草系のものが絡みやすいこと。

よって、昨今のマット系カバーが中心の琵琶湖で、出しどころが結果的に減っていますが、上記の強みを活かせるなら、意識的に出すことは十分にありえます。

 

ちなみに、琵琶湖ではテキサスリグにも、何らかの形でスカートを着ける(パンチスカートなど)ことが多いですが、これも使い分けです。

先日、10月後半の琵琶湖での大会(B.A.I.T.最終戦)で、非常に厳しいコンディションの中、二日間で7匹、9キロ弱を釣って3位になりましたが、

この時もボリュームは抑えた方がバイトにつながる印象で、スカートは外して釣りました。

ここまでの話の網羅的な一匹でもあります、動画を、参考までにどうぞ。

https://www.youtube.com/watch?v=D3Zri7kq920&feature=youtu.be&fbclid=IwAR3gp842zjQ4oUtBYxC-qRBafGLfSQt_cuy1IlB1N8Lpina7ANoVslBDlts

 

 

頻度は減りますが、琵琶湖にボートは置いてあって、時々は訪れます。

琵琶湖がいいフィールドであり続けますこと、そこに私たちの充実した釣りの時間がありますように。

また、琵琶湖でお会いしましょう。

 

 

中村 大介



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