リールはロッドよりも選択肢が少ない。

リールはロッドよりも選択肢が少ない。 取り扱っているメーカー数も圧倒的に少ないし、アイテムもクオリティーで3~4段階くらいに分けられている程度だ。 さらにバスフィッシングで使う番手といえば、スピニングもベイトもせいぜい2番手内くらいで、ギア比も3種類くらいの中から選ぶことになる。 細分化された昨今のフィッシングシーンに合わせても、スプールの深さやブレーキの強弱をそこに組合せるくらいで、ボートの上に仮に10本のロッドが並んだとしたら、そのロッドは全て番手が違うことがあっても、リールはいくつかが同じものである可能性が高い。 なぜ選択肢が少ないのか?それはロッドに比べてテクニックで使用感を変えることができる道具だからでもある。 ブレーキも巻くスピードも使い手で少しは調整できる。言い換えれば、それだけ幅のある道具だから選択肢が少なくても何とかなるという訳だ。

しかし使い手にゆだねられる幅があったとしても、その中で私としては選択に明確な根拠となる基準がある。 右利きである私は、ロッド操作が必要な釣り方では左巻きを使うことであったり、ピッチングキャスト主体のショートディスタンスの戦略であったならば、糸巻き量の少ないスプールを選んだりなどだ。 この部分は譲れない、というところからリールの選択に入るのだ。それに加え感覚的なマッチングも重視している。 毎回トーナメント準備のたびに一度ロッドからリールを全て外し、組みなおし、ブレーキのセッティングなどをしていると気づくことが多いのだが、この釣り方、このロッド、こっちのリールのほうがいいんじゃないのか?など、今までの基準を壊してもそうしたい時がある。 そんな感覚がバシッと決まったタックルセレクトは必ずいい結果に繋がっている。 バスフィッシングを始めた35年前、ショップのガラスケースで赤く輝いていた5500Cは私の憧れだった。中学生のとき5年間溜めたお小遣いでようやくそれを手にし、それから12年後の1999年、憧れだったアブリールのサポートを受けることとなった。


それから20年、一時はピュアフィッシング内の別ブランドリールを使っていた時期もあるが、18年間アブリールの進化とともにプロトーナメントのサーキットを戦ってきた。 その中で数々の優勝、そしてタイトルも獲得してきた。

その歴史はただ茫然と過ぎただけではなく、アブリールを使うという意思のもとにある。 今後、このコーナーではアブリールと重ねてきた時間を振り返りながら、これから出てくる新商品なども踏まえ、アブリールの未来について話していきたいと思う。

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