スピニングリールのメンテナンスについて

どんなに性能の優れたリールであっても、使用時間の経過とともに、購入時のパフォーマンスからは低下していく。 その昔、ボールベアリングがリールに普及していなかった時代には、シャフトのあたりがつくまでモーターでスプールを回転し続けてから使用したりもしたが、新品購入時からベストパフォーマンスを発揮できるように設計されている昨今の最新リールはそうではない。


使い込んで馴染んでいくというよりはオイルやグリスが消耗していき機械的な性能が落ち、ホコリや付着した汚れ、古くなったグリスなどが隙間に溜まり回転性能に影響してくる。また持ち運びによる傷や、車内、ボート上での度重なる衝撃により歪みが発生して使い手に違和感を与えることもある。モノである以上、使っていればやがて壊れる。それは仕方ないことなのだが、メンテナンスやオーバーホールにより、この劣化のスピードを緩やかにすることはできる。今回は自分でできるスリールのメンテナンス、特にスピニングリールについて少し紹介したい。

スピニングリールの経年変化は、まず回転しながら上下する中央のシャフトに現れることが多い。この場合はメーカーのメンテンナンスに依頼する方が確実だ。しかし個人で対応するならば、落下などの衝撃によるシャフトの曲がりなどは交換が必要だが、このシャフトを支えているローター状のベアリングの具合が悪さをしている場合は、裏技だが粘度の緩やかなオイルをシャフトに沿って流し、一度洗い流してやると復活する場合がある。しかし流れたオイルがギア部のグリスも流してしまったり、クラッチ部に入ると厄介なので、その処理には注意したい。


次に多いのがベールアームの歪み。これは微調整が難しい。歪んでいるとベールの上げ下げがスムーズにいきにくくなり、釣りをしているときにもどかしい。少しの歪みであれば手で直せなくもないが、微妙なバランスがあるのでメーカーに依頼する方が確実だろう。

スピニングリールは多くの場合、アームローターを外さなければ、ボディーを割って内部を見ることはできず、ベイトリールと違って分解してメンテナンスを行うことは個人では復元が困難になることもありお勧めしない。では何ができるのか?まずはアーム付け根にあるラインローターのベアリング清掃。ラインについた汚れがここにたまりやすく、ボールベアリングの回転性能に影響しやすい。ネジを外し、ボールベアリングを洗浄液で洗い、適切なオイルを注入して戻すことで、糸よれを軽減することができる。

それからハンドルの部の付け根。ここもゴミがたまりやすいため、ハンドルの周りがスムースでなくなることがある。ここもボールベアリングの清掃やオイルを入れておきたい。この二か所だけでも使い込んだリールならば、メンテナンス後の使用感は大きく変わるであろう。さらに見ておきたいところは各部パーツの弛み点検。特にハンドルと反対側のキャップは弛みやすく、チェックが必要だ。

 

それから一度スプールを外し、糸やごみがシャフトに絡まっていないかの点検。

スピニングリールは個人でやれることはこれくらいで案外少ない。 軽量化、新機能と新しいリールが登場するにつれ魅力は大きい。新しいものに次々と買い替えるのも快適に釣りをするひとつの手だが、馴染んだ道具を長く使い続けるのも、釣果に結びつける一つの方法だと私は考えている。 また、リールのメンテナンスは使い慣れたリールを長く使うことで、よりその道具への親しみや使い勝手を高めていく効果があると同時に、釣場での急なトラブルに見舞われないようにする役割もある。日頃からボディーの清掃くらいは行うようにし、個人でできるメンテナンスは年間に1~2回、さらに細かいところのオーバーホールはぜひメーカーのサービスを利用しておこなって欲しい。


小森嗣彦


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