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『NEW Fantasista 』 (小森 嗣彦)
来年Fantasistaシリーズが現行のMGS(マイクロガイドシステム)シリーズから新しいシリーズへとリニューアルされる。
現在そのロッドの最終テスト中だ。cpc製法などを用いた新しい素材は強度をアップさせつつ計量化を実現しており、個人的にはこの最終テストの段階でかなりの完成度だと感じている。
さて、Fantasistaをリニューアルするとき私は必ず60ULSをベースにつくり始める。
MGSシリーズを手がけたときもそうだった。なぜなら、これが私がFantasistaで1番始めに作ったロッドであり、今のトーナメント戦略に欠かせないロッドであり、最も多投するレッグワームダウンショットをやる上でなくてはならないロッドだからだ。
なので今回も60ULSを最初のラインナップとして開発している。製品の品番は60ULSⅢとなることが決定している。
そしてもう一本最初にリリースする予定なのが60XULSリニューアルモデル。
この2本は共に七色ダム戦から実戦投入しながらテストを進めてきた。その七色ダムではプラクティスから2kgオーバーのスーパーキッカーを何本もキャッチし、試合も圧勝で優勝することができた。
実戦での性能は折り紙つきだ。
今回のモデルのイメージは、60ULSは2005年に発売したブランクスが紫の初期モデルに近い張りのある仕上がりになっている。
ごく僅かだが、初期モデルと二期のExperience(60ULⅡ)では初期モデルの方が少し張りがあると感じた方も多いと思う。
その理由はナノコンポジットを使用したことによる表面の硬さと、マイクロガイドのガイドフットサイズが小さいことによるスレッドの短さ、それからチョークガイドを活用したことによるガイドセッティングなどにあった。
もちろんイメージをあわせて作っているので、微々たる差ではあるのだが、Experience(60ULⅡ)のほうがマイルド感はあった。
ニュータイプはトルザイトガイドを使用。軽量化と感度アップを計っている。
初期モデル同様にソリッド部分に載ったマイクロ的なガイドとキャストをしやすくした少し大きめのトップガイド、ベリーから下はチョークガイドを用いないゆとりのあるライン操作ができるようなセッティングにしてある。
そのガイドセッティングのコンセプトは60XULSも同様だ。
張りから生まれる理想的なフッキングとバスを寄せるブランクスで七色ダム戦初日の7kgオーバーは実現した。
Fantasista3代目になっても変わらず、攻めるライトリグが使えて戦えるスピニングロッドだ。
60XULSは前作のSixよりトップからベリーにかけて、かなり張りを持たせた。
前作は強度を犠牲にしてでもあのティップの細さを採用した。
いま多くのピュアフィッシング製品のスピニングロッドについている透明なディップカバーはこの60XULSから生まれたアイテムだ。
何故60ULSに張りを持たせたかというと、実質60ULSでスピニングタックルのほとんどの釣りをやってしまう私には今まで60XULSの出番が少なかったからだ。
今回は60ULSに近づけたことで釣果の差になる微妙な使い分けができる。60ULSではなく場合によってはこっちがメインになることもありえるだろう。
スモールマウス戦でなくても投入機会が増えることになる。
どちらのロッドにも前作とは軽さと強度に圧倒的な変化がある。
これは新しいロッドを開発していく上で重要な二点であり、お互いに本来は反比例しあう要素でもある。
それが新しいFantasistaのブランクスでは軽さと強度のアップ、ともに実現している。
軽さは持てば直ぐに体感でる。
強度は七色ダムでの結果が物語っている。
そんなNew Fantasistaの2本は共にうまくいけば来春にはリリースできる予定です。
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