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北山睦のTOP50観戦記2018 第4戦 桧原湖

こんにちは!

TOP50レポーターの北山 睦です。

今回で今年のTOP50シリーズも既に4戦目。

年間5戦しか無い事を考えると「これが終わるともう残り1戦しかないのか」と言うのが出場している選手の心中だと思う。

さて、この第4戦の舞台は例年通り、福島県の桧原湖。

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クルマのCMでも使われていたので、ご存知の方も多いかと思うが、会場はこの早稲沢浜キャンプ場。

昨年も書いたが、シリーズ戦の中で唯一”毛色の違う”試合、そうスモールマウスバスが中心の試合になるという事。

そして、年間争いをする上でも最終戦への道筋が見えてくるのもこの試合。

近年のTOP50シリーズでは、この第4戦と最終戦は毎年同じ時期に同じ場所で開催されているので、

経験の多いベテランが有利になるというのも特徴だ。

そこへ、いかにスモールとこのフィールドの経験が少ない若手が食い込んでくるのかというのも見どころになる。

現に、今回の試合のウィナーも新しい時代を感じさせるものだった…

◆釣れていたプリプラクティス

本戦が9月7~9日ということでプリプラクティスが可能な時期は8月23日(木曜日)まで。

お盆過ぎから桧原湖へプリプラクティスに入る選手が多く、SNS上でも選手たちが沢山アップしていた。

直接数人の選手に電話などで聞いても、このプリプラ期間は非常に釣れており、

ここ暫く続いていたハイウェイトな試合の予感が。

私がTOP50に昇格した2011年頃は毎日3kg釣ってこれば優勝争いに入る事が出来た。

が、3~4年前からはスモールも巨大化して予選二日ともに3.5kgは必要になってきた。

現に河辺プロもプリプラの時点ではそれくらいは必要だと感じていた。

ただ、近年の桧原湖と違うのは極端な減水が進んでおり、それだけが心配の種だという事。

減水しているという事は、水の容積が小さく、水温変化が激しくなるということだ。

夏を過ぎ、水温下降期に突入した桧原湖はどう変化するのか?

そして、選手たちが懸念した以上の事態が起こる。。。

◆全てがリセット

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本戦直前になって台風21号が東北地方西側を北上。

必然的に福島県内陸部にある桧原湖も影響をモロに受けた。

写真からも分かるように、普段クリアな桧原湖がかなりの濁り。

小森嗣彦選手からは「釣れん」というLINEが届いた。

普段であれば試合直前の選手の「釣れない」はアテにならないものの、

今回はさすがに現実味を帯びているように感じる。

どうやら、台風で相当底荒れしたようで、濁りもキツくなかなかバスのポジションが安定しないようだった。

それは、初日の結果でもあからさまだった

◆DAY1は河辺裕和選手が9位発進!

前日の小森選手の「リミットも怪しいぞ」というメッセージの通り、台風の影響はそれほどに強烈だったようだ。

初日首位の三原選手が4kg越えに成功してアタマ抜けたものの、3kg以上の選手は9人のみ。近年の桧原湖では考えられない難しさだ。

河辺裕和選手が3kg超えに成功し、9位発進!

後述するが、河辺選手は実はプリプラの時点からそれほど変わった事をしたわけではないらしい。

桧原湖戦の平均順位が4位台と桧原湖と相性のいい青木大介選手は4本とリミットは揃わなかったものの17位と上位を狙える順位に付けた。

小森嗣彦選手は何と3本と苦しみ31位に。

全体を見渡してもリミットメイク率が5割を切り、「釣れる人」と「釣れていない人」が分かれる試合になった。

一体何が違うのか?

◆DAY2は青木選手が単日3位!

年間を争う上では小森選手も青木選手も二日目に上げておく必要がある。

そんな中、二日目が始まった。初日9位とPFJチームで唯一リミットを揃えた河辺選手には当然期待が集まる。

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15:00 いよいよ二日目のウェイインが始まる

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リミットメイク率こそ例年より低いが、行列が出来る。

スモールマウスは「その日限り、その時限り」が多く、「いかに引きずらないか?」がミソとなる。

それだけ、同じパターンが長続きしないのだが、それだけに初日下位に沈んでも取り返すチャンスがある。

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青木選手のウェイイン

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二日目もリスキーなシャロー勝負でリミットメイクに成功し堂々の3516gを釣って単日3位。

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逆に期待を集めた河辺選手の二日目は釣り方が詰め切れずに2本984gで終わってしまった。単日44位。

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小森選手は2本666gで46位と苦杯を舐めたが、勝負に行っての結果だ。

バスが居る場所を押さえてはいるものの(魚探にも写っている)、

最後まで明確な食わせ方に辿り着かなかった

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直前プラクティスに於いても、”タイミング”が来ると5分ほどの間にバタバタと釣れるというスポットで紙一重の勝負に行き、

最後まで機能しなかったのだから仕方が無い。

私自身も何度も経験があるが、「スモールは本当に気分屋」である。。。食うまで待つべきなのか、能動的に追うのか?

◆予選結果 22

青木大介選手が5位で予選通過。ウェイト順ではトップから1900g差の6位。

さすがに桧原湖での平均順位が4位台だけあるので、最終日に期待が掛かる。

河辺選手は初日の貯金が効いて29位で予選通過。ウェイトでも同じく29位だ。

小森嗣彦選手は44位。年間を考える上ではここでの5ポイントは痛恨極まりない…

◆決勝

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ブースにてファンサービスに努める小森嗣彦選手。決勝に残れなかった選手は3日目にもちゃんと仕事がある。

実は、天候こそあまり変わらない三日間だったものの、水質は徐々に変化していった。

それが自然と言うものではある。

俗に言う「底荒れ」とは、水が湖全体が大きくうねる事に寄って、そこの土が巻き上げられる状態の事を言うのだが、

やはり、土は水に溶ける訳では無い。

時間と共に「沈殿」していくことになる。結果、それが時間が経つにつれて「クリアアップしていく」ということになるのだ。

そのクリアアップに着いていった選手のみが決勝に残った印象でもある。

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河辺裕和選手

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しっかりリミットメイクして2690g、単日14位。

河辺選手もプリプラクティスの時点ではやはり連日3.5kg~4kgは必要だと感じていた。

だが、ここ数年釣れているバスと同じように見えるバスから、僅かな違いを感じていた。

それが、「バスが少し痩せていた」ということだ。

つまりは「餌が食えていない」ということになる。この時点でワカサギとのリンクを頭から消して、

「フラットや小さなハンプのハードボトムでエビやドンコ(ゴリ)を食っているバス」に狙いを切り替えていた

それにより、月島周辺の「釣れるハードボトム」をプリプラ後半で探しいくつか用意しておいたため、

台風通過後も「ほとんどプリプラと変わった感じは受けなかった」そうだ。

これは他の多くの選手が「台風で変わってしまった」という印象を口にしていたのとは真逆。

もちろん、台風の影響を色濃く残した初日には直前プラと全く同じ釣りをして9位になった。

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使ったリグは、ほぼ止まっているくらいのスピードで動かすアンダーショット(ダウンショット)、

レッグワームとGulp!アライブのライトキャロ、

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そして、最も時間を費やしたのが、現在開発中のプロト69Lを使った1.8gのレッグワームのジグヘッドリグだ。

0.4号のPEラインをメインラインにし、ひとヒロのフロロカーボン2.5ポンドをリーダーに使用した。とても基本的なメソッド。

二日目こそ、クリアアップの初段階で食い方が変わってしまい、ウェイトを落としたものの、

三日目には再びバスが落ち着きを取り戻してリミットメイクに成功した。

プリプラ時に見たバスのコンディションを見抜いたベテランのチカラというものだろう。

マニアックと言われるかもしれないが、こういった”ベテランの渋いワザ”を間近で見られるのが、私のTOP50在籍時の楽しみでもあった。

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青木大介選手

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青木選手のウェイイン。

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Fantasistaチームで唯一ミックスバッグ(ラージマウスとスモールマウスを混ぜてウェイインすること)に成功するも、

残念ながら”揃えること”は出来なかった。最終17位でフィニッシュ。

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青木選手のタックルを見てほしい。

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とてもスモールマウス戦とは思えないスピニングタックルの少なさだ!

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逆にベイトタックルはというと、こちらも僅か3タックルに絞られている。

普段と違う桧原湖に対して、逆にタックルを絞ってあれこれやらない作戦か。

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予選で2位に1500g近い差を付けてトップの三原選手。トレーラーウェイインを待つ。

ホットシートに座るのは、3日目に3800gを持ち込んだ西川慧選手だ。

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優勝コールの瞬間。西川選手の大逆転勝ちとなった。

◆シャロー勝負を制した西川選手

実は、今回の試合では早くにディープで釣れない事を悟った選手は多かったのではないだろうか?

そこで、完全にバスのポジションを見失った選手も多く、仕方なくミドルや中層を狙うといった選手が多かったはずだ。

僅かにライブスコープ映像(水中のリアルタイムな画像を映すデバイス。カメラではない)を見れる選手が立木の上などの

バスを発見しては狙うと言った感じの試合になった。

現に”ライブスコープ使い”の佐々選手の試合の感想を聞いてみたところ、

「普通の釣りが釣れない」、「濁りが強く、フラットに魚が映らずに中層に浮いている」

というものだった。そのライブスコープを使用している選手はこの試合では4位に早野剛史選手、

7位に武田栄喜選手、8位に佐々一真選手と3人が入賞している。

勝ちにはならなかったが、テクノロジーを使いこなしている選手は上位に入る事が出来た。

TOP50というカテゴリはこういったテクノロジーに付いていく事も必要で、今後もこの傾向が色濃くなっていくはずだ。

逆に、中にはシャローに活路を見出した選手も居た。それが、青木選手と西川慧選手だ。

見事に初優勝を決めた西川選手に少し話を聞くことが出来たが、兎に角いろんなシャロー~ミドルを周って、

「巻きキャロ」を中心に展開したそうだ。

釣り方もいくつかあったが、ベースにしたのはひたすらゆっくりを巻く「巻きキャロ」。

シャローとは言え、中層の釣りだ。

ワームはサポートメーカーの物を使っていたが、「強すぎず、弱すぎず」と言った物だ。

巻きなど若干強めの釣りを展開した青木選手との差はそこで出来てしまったのがもしれない。

スモール戦のシャロー勝負は非常にリスキーな故に強いメンタルが要求される。

青木選手ほどになると、その辺は慣れたものだが、西川選手はそれを恐れずに最後まで勝負を挑めたことが今回の勝因ではないだろうか。

先ほど書いたハイテクを凌駕し、スタンダードな釣りスタイルで優勝者が出たのは、2017年初戦の遠賀川戦を思い出させる。

この時は、魚探によって”丸裸”になった遠賀川を、魚探を必要としないシャローフラットの上にシャッドを通した市村直之選手が優勝した。

テクノロジーが進歩したことにより、そのまた逆のスタンダードもあるという事をこの2戦は証明している。

また、この進歩によって「魚探は本来の魚を探す道具」として分業化し、

「ロッドやリールは純粋にバスを誘って、掛けて、しっかり取り込む道具」という本来の”釣り道具”としての立ち位置に戻った感じを受ける。

Abu GarciaのロッドはFantasistaの3人によって、元々この純粋な目的のために煮詰められてきたシリーズだが、

今後どのように発展していくのか?

◆年間順位と次戦の見どころ

Fantasistaチームにとっては非常に辛い試合となったこの第4戦。

この第4戦は年間争いをする道筋をつけるという意味で非常に重要な試合なのだが…

12位 青木大介選手 トップと47ポイント差

20位 小森嗣彦選手 トップと69ポイント差

38位 河辺裕和選手 トップと106ポイント差

50ポイント制(各試合優勝が50ポイント、それ以下1ポイントずつ下がる)の試合では

既にFantasistaチームの中から年間優勝は難しいことになってしまった。

そんな暗い状況の中ではあるが、河辺選手が「最終戦は優勝のみを狙って、集中する!」と非常に力強いコメントをくれた!

年間上位3名は開幕から快走する早野剛史選手をはじめ、ルーキーの藤田京弥選手、黒田健史選手と若手が並ぶが、

それに大ベテランが一泡吹かせる事が出来るのか?

また、来期よりアメリカでのツアーを開始する青木大介選手もまだELITE5への可能性は残されており、

日本で有終の美を飾る事を目標にしているハズだ。

Fantasistaの3選手に最終戦もご注目ください!

今年の最終戦は、例年と違い、土浦新港での開催となり、これまでTOP50シリーズでは使われてこなかった

フレッシュなエリアが追加され、また新しい戦略が見れるのも楽しみです。

北山 睦

2018.10.11