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北山睦のTOP50観戦記2018 第3戦 七色ダム

こんにちは!

TOP50レポーターの北山です。

この記事はFantasistaの3選手にフォーカスを当ててTOP50のリアルをお届けしています。

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今年のTOP50第3戦目の舞台は七色ダム。

そう、昨年は最終日まで小森嗣彦と青木大介が優勝争いを繰り広げたものの、

最後の最後に小林知寛選手がロクマルを持ち込み大逆転された試合だ。

しかも、今年も同じ時期。7月第1週の七色ダムは昨年までと同様、

数は少ない物のまだフロリダ系のスポーニングベッドも残る。

故に、昨年苦杯を味わった小森、青木両選手ともに気合が入っているはずだ。

そんな七色ダムのプリプラクティスの現場にも行ってみた。

TOP50シリーズがローカルJBシリーズやマスターズシリーズと違うのは試合日数だけではない。

まず、オフリミット期間(練習出来ない期間。湖に入れない期間)が違う。

NBCチャプターやローカルJBシリーズ、マスターズシリーズは試合のある日曜日の

前週の日曜日までプリプラクティスが出来る。

つまり、1DAYの試合ならばオフリミットは試合当週の月曜日から金曜日の5日間(試合前日の土曜日は公式練習日、公式練習は16時まで)

マスターズシリーズは試合当週の月曜日から木曜日の4日間(試合前日の金曜日は公式練習日、公式練習は16時まで)となる。

しかしながら、TOP50シリーズの場合、試合のある日曜日から2週前の木曜日までしか練習ができない。

オフリミットは12日間。今回の七色戦で言えば試合が7月6日~8日にあるため、

プリプラクティスは6月21日までということになる。

試合直前の公式プラクティスも水曜、木曜の2日間ある。

必然的に今年は6月8日~10日に第2戦(北浦)が開催されたため、その直後には七色ダムを訪れていた選手も多い。

それだけ過密スケジュールの中でいろいろな物を維持・推進するのは本当に大変なことだ。

プリプラクティス期間中

ほとんどの選手たちがどのフィールドでもプリプラに1週間ほどかける。

「1週間も釣りして羨ましい」と言われそうなものだが、実際に釣り自体をすることよりも

「フィールドを観察していること」の方に重点を置いているように思う。

当然、季節感の確認や、気になるスポットで釣りをしてみることもある。また、七色のようなサイトフィッシングが勝つための比重として大きい場所では

そこのバスがどんなクセを持っているのかを確認するために様々なリグを投入する。

また、ロッドやルアー類、ワームなどのテストもこのプリプラ期間中にやる選手も多いだろう。

魚探掛け」と言われる作業は兎に角時間を食う。最近の”魚探戦争”では様々な新技術により、ほぼ湖は”丸裸”になる。

その中に於いて、こういったサイト中心のフィールドでは、何かの条件で見えるバスが見えない状況、

要するに沈んでしまった場合などにそのバスが着きそうな水中のスポットを探しておく必要もある。

そのような地道な(地味な)作業に明け暮れるため、朝早くから夕方まで船上では意外に忙しいのだ。

毎日、ボートから上がるとクタクタだったりするが、バッテリーの充電、タックル整理、魚探データの整理や原稿書きなど、

あっという間に時間が過ぎてしまう。 朝5時前には起床するので、21時ごろには寝るという極めて規則正しい生活(?)になる。

これは、試合期間も同じだ。

プリプラ期間から本番までおよそ2週間開く事を考えると、プリプラ期間中に「今釣る方法」を深く追い求める選手はほとんど居ない。

2週間後に季節が進むことを想定して、「このバスはこれからどういうポジションになるだろう」と考えて釣りをする。

また、「釣れない釣り方」を潰しておくような作業もするので、試合直前まで選手が「釣れない」「厳しい」と

言っているのはある意味事実だったりする。あくまでも本番で釣るための要素探しが重要となる。

1週間釣りだけとは言うものの、”今を釣る釣り”での1週間の方が精神的には余程楽だ。

こういった地味な作業による情報の積み重ねを本番で爆発させるのだ。

◆七色ダム

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試合が開催される七色ダムは北山川水系にあり、上流にフロリダバスの聖地・池原ダムがある。

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そして、このダムサイトの下流には以前はNBCチャプターも開催されていた小森ダムがある。

この七色ダムはちょうどこの二つに挟まれる形の「調整池」の役割があるため、増減水の幅は極めて小さい。

せいぜい1.5mほどの幅でしか増減水せず安定した水位だ。それだけに、オーバーハングや沖の立木の役割が大きくなる。

バックウォーターは”本流”になる北山川の上流部にあるインレット、西の川の最上流部の2ヶ所。大又川もあるが、こちらはエリア外となる。

それだけに、バックウォーター部でのサイトフィッシングをメインに組み立てる選手はプレッシャーも考慮する必要があり、”釣り方勝負”になってくる。

そこに加えて、公式プラクティスと初日に降った雨による濁りとクリアアップの繰り返しが余計に状況を難しくさせた。

◆DAY1

大雨の中、初日のスタートの火蓋が切って落とされた。通常、1mmの雨でかなりサイトフィッシングがやりにくくなるのだが、

果たして”サイト組”は釣って来るのだろうか?

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この日は青木大介選手が2位につけた!

5本5,375gのハイウェイト。

マイティーストレートのネコリグと得意とする”ちょうちん”釣りによるサイトフィッシングだ。

途中、ミスはあったものの見事にリカバリーしてウェイトアップした。

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13位には5本4,006gで小森嗣彦選手。

この日の小森選手は七色らしいロクマル級のスーパーキッカーを1本仕留めてきた!

両者ともに昨年の優勝争いを思い出させる上々の立ち上がりだ。

河辺裕和選手は3本850gと”外し”てしまった。この日は46位。

雨により、池原ダムからの放水口(スタート地点より下流にある大きな放水口)からの放水により、本流の水温が3~5℃も低下してしまった。

それでも、小口橋(西の川合流点)下流にある「S字」と呼ばれるコーナーから下流はまだ水温が暖かいエリアとして残っていた。

”潮目”の上流側は水温15℃、下流側は19~20℃。

直前プラでそのエリアは見えるバスが沢山居ることに気付いていたので、そこでのサイトフィッシングを展開した。

残念ながら、当日は狙っていた”回遊系”のスクールには全く出会う事が出来ず、沖目の立木などに見えるバスに翻弄されてしまったそうだ

七色のバスはこの立木・ティンバー・ブッシュに絡むバスというのが非常に難敵なのが特徴だが、さらに沖にボーッと浮いているバスは最強に難しい。

それ故に何をどうやっても最後まで釣り方が見つからないことも多い。

◆DAY2

この日は雨が上がったものの、相変わらずローライトの朝となった。

初日に比べると若干の減水。

勝ちを狙える「いい順位」につけた青木・小森両選手はどうなのか?

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西の川の上流を見に行ってみると、このように幻想的な霧の中に選手のボートが映っていた。

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七色の水質はこの様にクリア。バックウォーター近辺は偏光レンズを通さなくても底が見える。

それだけにバスを見つけやすいが、バスからもボートが丸見え。

おかげで、バスは「天才君」が多く、サイトフィッシングも一筋縄では行かない。

私の知っている普段の七色ダムでは、このエリアは必ずと言ってイイほど人気エリアになるハズだ。

それでも選手がこれだけ居ないということは雨による水温低下などによって、バスが全くと言って良いほど居ないのだろう。

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会場となるスロープロクマル上流では青木選手がサイトフィッシングをしている様子が見えた。バスを探して移動を繰り返す。

効率的にバスをサイトで仕留めるには、まずはバスに出会うまでは「目で探す」という作業に徹する。無駄なキャストはしない。

私が見ている間も、キャストは極めて少なかった。釣りの動作はあくまでもバスを見つけてから始まる。

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その対岸には同じくサイトマンの三原直之選手の姿が。

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一方、その更に上流部のインレットの出口には河辺選手の姿が見えた。中流をやった初日とはガラリと展開を変えてきた。

このインレットはトンネルの水路で北山川にかなりの流量を排出している。

上流サイドに大塚茂選手(初日9位)、下流側に河辺選手というポジションだ。

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見ている間に河辺選手のロッドがブチ曲がる!

長いファイトの後にキャッチし、遠目に見てもグッドサイズだと分かる。

写真で見でも分かるように、このインレットは流れがかなりあるのだが、河辺選手はこの流れの中を釣っている訳ではなく、

下流からクルーズしてきたバスに対して流れの無い場所でカットテール3.5インチのネコリグ(0.9g)を使い、食わせることに成功した。

ロッドは、河辺プロの軽量ライトリグの”懐刀”、YABAI FNS-62SULS ”フィネスパフォーマー”だ。

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そのインレットの更に最上流部。この辺はあまり水の流れが無い止水域にあたるのだが、数えただけでも12艇も浮いており、

かなりの人気エリアとなっていた。

この辺りは止水で大きな岩も多く、スポーニングを終えたポストスポーンのバスを多くストックするエリアだけにバスが沢山見えるのかもしれない。

その後はあまり会場前を通過するボートも多く無く、上流組は上流で粘りきった選手が多かったようだ。

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いよいよ帰着開始。本当にTOP50の選手はギリギリまで帰ってこない。1キャストでも出来る時間がある限り諦めない。

それだけに一斉に帰って来る。

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小森選手帰着。思い通りに行かなかったような表情だが…

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青木選手と話す小森選手。

実はこの日、二人揃ってウェイトを大きく落としてしまった。

小森選手は5本1,670gで単日38位、青木選手は5本1,606gで単日41位となってしまった…

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青木選手、小森選手ともに「今日はバスに出会えなかった」と口を揃えていた。

特に、「回遊系」のスクールや単独のバスにターゲットを絞っていた小森選手、

それに加えて得意の”止まっているバス”も含めたサイトを展開した青木選手共にバスが見えなかったということは、

余程相手に出来るバスが少なかったということを物語っている。

やはり、減水が効いてショアラインをクルーズするバスが圧倒的に少なく、

沖の立木などの難しい”空中戦”を強いられたようだ。

エリアは二人とも全然違うようだが、この二人に限ってこういう事も珍しい。

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一方、ビッグフィッシュを仕留めたと思われる河辺選手のウェイイン。

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1,656gとキッカー級ながら渋い表情なのは…何と、あの一本で終わってしまい、39位。

う~ん、勿体ない!と見ている側が思う以上に河辺選手本人がそう思っているに違いない。

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河辺選手のデッキ上のタックル。もがいた跡が見て取れる。

二日間通して、最後の最後まで見えバスに対しての確信のある釣り方に辿り着くことが出来なかったのが敗因だと語ってくれた。

Fantasista3選手はこの日は苦戦を強いられたが、それでも続々とビッグフィッシュがウェイインされてくる。

それがバスの密度が濃い七色ダムの特徴だ。

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予選をトップ(重量制)で通過した有里拓選手。実は他の選手とは全く違う釣りを展開していた。

TOP50というカテゴリは”枠にとらわれない”超絶的(?)な釣りを展開してくる選手が3日間のうちで出てくるのが面白い!

もちろん、こういったハイプレッシャーかつクリアウォーターならライトリグが有利なのは間違いないが、

彼の場合は「マジか?!」と思わせてくれる面白い釣りを展開していた…

「最終日もそれで押しきる」とこっそり教えてくれた。

自分が出ていた頃も毎度毎度「すげぇな!」と思わされる話を聞いて来たが、やはり他では得られない

”刺激”がTOP50というカテゴリにはある。

◆予選結果

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雨の中、予選結果の発表が始まった。

小森選手は24位で予選通過。重量制でも同じく24位。トップからは5,407g差。

青木選手は20位で予選通過。重量制にすると18位でトップから4,102g差。

河辺選手は残念ながら46位で試合を終えることになってしまった。

この日、西日本の大雨を考慮して最終日の会場イベント及びメーカーブースの出展はしない事が本部より発表された。

◆決勝の日!

7月8日の決勝の朝。雨は上がっていた。

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メインパターンとなる”ちょうちん釣り”のPEラインタックルをリグり直し、かなり入念にチェックする青木大介選手。

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少し早めにミーティングを開始。

決勝日は13:00ウェイインと予選二日間よりも2時間も試合時間が短い。

試合時間が長く取れるように選手にとっても早めのミーティングはありがたいものだ。

この日のミーティングはルール上に不明な点が無いかの確認くらいでほんの数分で終了し、スタート準備となった。

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桟橋から離れる小森選手。

さて、この日はブース出展が無いということで、2時間ほどだけ隣の池原ダムに釣りに行ってみた。

七色ダムと池原ダムはすぐに隣なので、会場から10分も走れば池原ダムに行くことが可能だ。

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発売直後のDEX チョッポでナイスフィッシュをキャッチ!

この二つの大きな釣り場に恵まれた下北山村には宿泊施設も充実しているので、1日ずつ七色と池原を釣ってみるのもオススメ。

12:30頃に再び七色ダムの会場まで帰って来て、帰着開始。

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帰着完了後の小森選手と青木選手。来期より青木選手はアメリカ参戦となるので、この光景は残すところのTOP50の2戦でしか見られない。

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青木選手の検量準備。グッドサイズで揃っている。

が!この日、青木選手はロクマル級をミスって手を傷めていた…今後に影響がなことを願うのだが…

この辺のクダリはDVDの方でご覧いただくことが出来るかと思いますので、そちらで。。。

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普通の人であれば、メンタル崩壊級のアクシデントだが、そこは青木大介。力ずくでリカバリーして、5本4,605gを持ち込み単日4位!

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青木選手のタックル。ご覧の通り、PEラインの”ちょうちん”釣り用タックルが2タックル存在する。

1本はプロトのようだが、もう1本はFantasista Deez FDNS-66ML MGS~Finesse MAX~だ。

リールに2台ともRevo Rocketを使っているところが青木選手としては

珍しいなと思ったのだが、今回はそれだけ掛けたバスをオーバーハングから早く引きずり出すことを意識してのセレクトだ。

このRevo Rocketは7.1:1のギヤ比なのだが、スピニングリールでは唯一無二の巻取りの速さだ。それだけにカバー周りでは非常に重宝する。

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小森選手の検量準備。上流部では全くと言ってよいほど見かけなかったので、中流部~下流でのバスということのようだ。

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5本2,482gで単日19位。

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小森選手のタックル。STUDIOUS FNS-60XULS2~SHAKE~がかなり多めに積んである。これはネコリグによるサイトフィッシングのメインタックルになるのだが、

面白いのは、STUDIOUS FSNC-62M MGSとRevo LTX BF8Lという強めのベイトフィネスセッティングに虫系ワームがセットされているところ。

ハングフィッシング(”提灯釣り”のこと)をこういうタックルバランスでやってくるところがトップ選手の凄いところだ。

一般的には、「こういう釣りにはこういうタックル」とある程度セオリー化してしまうところをとても自由な発想で攻めていく。

今回は小森選手も「回遊系」をアテ込んだが、目論見通りには行かずに苦戦することになった。

さて、強気の釣りで「最終日も押す」と宣言していた有里選手は…

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2本1,092gに終わってしまった。実は二日間ともトップウォーターの釣り(アベンタクローラー)を展開していた。

特に、予選二日間は雨が止んで僅かな晴れの時間がチャンスとなり、そのチャンスをことごとくモノにしてビッグフィッシュを浮かせて釣ってきた。

ただ、最終日は逆に晴れている時間が多く、アベンタに出ては来たもののサイズが上がらなかったとのことだ。

それでもこのクリアな七色でこの釣りで押し通すのは勇気が必要だが、ナイストライだった。

◆最終成績

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前二日間とは打って変わって、強い日差しの照り付ける中、表彰式が始まった。

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小森選手は最終的に25位。それでも年間順位は9位と踏み止まることには成功した。総重量制ということで、初日のキッカーが最後まで効いた。

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青木選手は8位入賞!年間順位も22位から12位までマクってきた。

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予選トップの有里選手を138g差で追っていたルーキー藤田京弥選手が逆転優勝!

後述するが、またもやバークレイワームがアシストすることに…

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準優勝は大塚茂選手。

実は、最終日は2日目のインレットで大塚選手が居た上流側の場所に小野俊郎選手がポジションし、

河辺選手が居た下流側のスポットに大塚選手が入っていた。

河辺選手は陸上から「あのポジショニングで大塚選手に釣れるのかな?」と見ていたそうだが、それでも短日3位となる5260gをウェイインした。

大塚選手はライトキャロだったが、3投ごとに投げるワームの種類やカラーを変え、バスに飽きられないようなアプローチに徹していた。

ボートポジションではなく、「結局、釣り方だったなぁ。あんなにマメにやってくるとは思わなかったよ~」とは河辺選手の感想だ。

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3位には初戦優勝の早野剛選手。年間争いでもこれでトップ。

4位には「職人」小林明人選手。この後のバサーオールスターのワイルドカード戦でも勝った渋い選手だ。

5位には上述したアベンタで押し切った有里選手が滑り込んだ。

 

終わってみれば、サイト組は「回遊系」のバスを目論んだ選手はアテが外れ、カバーなどに着いた難しいバスを釣ってきた選手が上位に食い込んだ。

◆優勝の藤田京弥選手を支えたのは何と、青木虫!

前回の北浦戦でも上位選手を排出したバークレイ パワーベイトシリーズが今回遂にウィナーを生み出した。

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初戦の野村ダム戦でも初日2位とスーパールーキーの片鱗を見せてくれている藤田選手だが、ルーキーイヤーで3戦目にして早くも優勝を果たした。

マスターズ時代からもサイトフィッシングに比重を置いている選手として”ポスト青木大介”と称される戦闘力の高さは選手間では知られていたが、

その藤田選手がメインで使用したのが青木虫だ。

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試合後日にその使い方などを包み隠さず語ってくれた。

使用した青木虫はグリーンパンプキンとスモーク(本人は単にスモークと言っていたが、おそらくパールホワイトスモークのことではないかと)の2色。

カラーの使い分けだが、通常はグリーンパンプキンを使用。では、スモークの出番は?というと至ってシンプルで、

「岩盤などの背景が暗い場所」で自分に見やすいように(背景に混じらないように)スモークを使用したということだ。

普通であれば、”バスの好みのカラーに合わせよう”とするのだが、それ以上にアングラー側の都合を重視したカラーセレクトだ。

ただし、ただ単にフツーにキャストしたら食うほどアマイ訳は無く、キャストするポジション(アプローチ)に気を使わなくてはならない。

それにはもちろん「キャスト精度」が非常に重要になってくる。

そのキャスト精度を維持するにあたって、ある程度の重量があり、かつ中空構造でフッキングが良いという理由でこの青木虫がセレクトされた。

確かに、青木虫はよく飛ぶ。中身が詰まったタイプの虫系ワームとは違い、薄い構造ながら絶妙な飛距離を出してくれるのだ。

これを6ft3inのMLのロッドにPE0.8号(リーダー無し)というタックルバランスで岸に近い枝などに引っ掛けてのチョウチン釣りを展開した。

このチョウチンにはちょっとした食わせのアクションの”キモ”があるのだが、まずはキャストして枝に引っ掛けてからの着水。

この最初の着水に非常に気を付けて、「チャポン」と落ちないようにスルスルと静かに着水させる。

その後、水面からピヨーンピヨーンと跳ねるように青木虫を空中まで跳ねさせてバスを寄せ、「そろそろ食う」という段階になってからは

水面から離さないように青木虫を水面でコロンコロンと「転がす」アクションに変えて行って食わせたとのことだ。

フックはガード付きマス針(DSR132 フィネスガードタイプの3番)でカバーに引っかかることもなく、かつフッキングのしやすさを重視したセッティングだ。

「バスを可能な限り早く発見する」とは青木選手の言葉だが、藤田京弥選手のボートポジションはショアから5~6mと

比較的近いことが多いことも特筆すべきことだろう。

青木大介選手が一目置く藤田京弥選手が、その青木虫を使って優勝するとは何とも因果な話だが、

二人して共通する(もしくはサイトフィッシングを得意とする選手全員)のは、やはり「キャスト精度が非常に高い」ということだ。

サイトフィッシングと単に言っても「クルーズするバス」や「カバーに着くバス」などいろんなシチュエーションのサイトがあるが、

このキャスト精度の高さこそがクルーズするバスよりも数段難しいカバーに寄ったバスを釣るために必要な手段ではないだろうか。

今回は藤田京弥選手は、余すことなくすべてを話してくれたので、皆さんも青木虫を使って難しいと言われる「見えバス」に

ぜひチャレンジしてみてほしい。

キャスト方法の参考として、青木選手のDVDは非常に役に立つので、キャスト精度を上げたいという方は、ぜひその辺に注目すると良いだろう。

その藤田京弥選手から、これから”ちょうちん釣り”にトライしてみようと考えている皆さんに一言アドバイスを戴いた。

「PEラインは0.8号~1号の若干太目を使ってください」ということだ。PEは実はスレにそれほど強くないと言われいてる種類のラインなので、

食わせたら確実に取り込める太さ、かつキャストしやすい細さの妥協点がこのあたりの太さだということだそうだ。実にシンプルなアドバイスだが、

チョウチンには「そこへ投げ込む勇気」がどうしても必要になる。その”恐怖”に負けないための実にシンプルなアドバイスだ。

藤田京弥選手、ありがとうございました。そして、おめでとうございます!

◆檜原湖の第4戦の展望

七色戦を終えての3選手の年間成績は下記の通り。

小森嗣彦選手は、6位から若干下げたものの9位に踏みとどまった。年間暫定トップの早野剛士選手から27ポイント差。

8位で終えた青木選手は22位から12位にジャンプアップ。トップから34ポイント差。

河辺選手は39位となり、かなり苦境に立つことに。

今年は昨年までの60ポイント制から50ポイント制(41位以下は5ポイント)となったため、獲得できる点数が少なく、

次は本当の「踏ん張りどころ」となる。

その檜原湖戦は全5戦の中でも唯一のスモールマウス戦で、”毛色”が違う試合だ。

季節的にも釣れる時期なので、「全員が釣ってくる中でどうやって抜け出すか?」という試合になるだろう。

ただ、今年はすでに減水傾向が続いており、あまり釣れていないという情報も入っている。

また、台風などによって急な状況変化もあるかもしれない。

とは言え、一昨年あたりから巨大化した檜原のスモールマウスがSTUDIOUS、Deez、YABAI!をブチ曲げてくれるだろう。

次戦もFantasistaの3選手にご期待ください!

北山 睦

2018.8.24