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北山睦のTOP50観戦記2018 第1戦 野村ダム

今年もいよいよTOP50シリーズが幕を開けた!

今年は6名のルーキーと3名の帰り咲きを含む総勢49名のエントリーとなり、ファンタジスタチームからは

ゼッケン1番の青木大介選手、ゼッケン6番の小森嗣彦選手、ゼッケン24番の河辺裕和選手が出場する。

簡単にレギュレーションの変更を書いておくと、昨年まで60ポイント制(1位が60点、2位が59点…50位11点、以下5点)だったのが、

今年から50ポイント制となる。つまり、1試合につき9名の5ポイント(参加点)のみの選手が出ることになる。

年間を争う上では、いかにこの下位9名に入らないかというのがポイントとなるだろう。

そして、このシリーズの初戦は「プリスポーンのリザーバー」が定番だが、今年も例に漏れずで、会場は愛媛県西予市の野村ダム。

Fantasista3名がどのようにプリスポーン期の気難しい野村ダムと対峙したのか?

◆野村ダム

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別名「朝霧湖」と呼ばれるこの湖は、愛媛県の西の端に存在する。目と鼻の先は九州という四国でも一番遠いロケーションとなる。

私がTOP50に在籍していた2015年にもポストスポーンの時期に試合があり、その時のプリプラを含めると今回で4回目の訪問となる。

当時の記憶では、フィールドには広さは感じず、画像の通り川幅が狭くて長い本流とダムサイトに向かって左側にある支流の筋、

右側の小規模なクリークと言った構成だ。エレキで回れそうな規模である。

バックウォーターの上流は田んぼが多い地帯のため、雨が降ると本流は激しく濁りが入る。

アベレージサイズは30cmくらいで、以前2月に行った時でも1本700gが釣れたくらいなので、バスの行動が比較的

早い時期から開始されるタイプのリザーバーなのではないだろうか。

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そんな狭いフィールドだけに、TOP50戦は60馬力までの馬力規制で開催される。

TOP50はここの試合も含めて、七色ダムの試合でも馬力規制があるため、最低2種類のボートを用意しなければならない。

制約のある小型ボートのセッティングから勝負は始まっているのだ。

◆「プリプラクティスはかなり釣れていた」

今年は全国的に春がかなり早く、例年より2週間近くも早く桜が開花した。

従って、バスの”目覚め”も早く、TOP50のプリプラクティスが敢行された3月後半はこの野村ダムも水温が高く、かなり釣れたらしい。

実際にSNSなんかを見ていてもプリプラ期間中はバスの姿が沢山アップされていた。

水温も20℃近かったりと、かなり良いコンディションで季節が進行していたらしい。

ただ、その中でもメスのプリスポーナーの釣り方をしっかり見つけていたかどうかが、この試合のカギを握ったようだ。

さらに…

◆本番初日は荒天

初日は大雨

叩きつけるほどの豪雨。やはり、進み過ぎた季節は必ず帳尻合わせをしてくるが、何も試合のタイミングに…選手もそう思った事だろう。

が、どういう訳か昔からいざ試合となるとこういうものなのである。

ただし、今回の雨は意外にも冷たいタイプの雨では無かったようで、比較的初日の釣りには影響が少なかったらしく、”釣る事”自体に困った選手は

さほど居なかったらしい。

事実、初日はルーキーの藤田京也選手や吉田英雄選手など上流域から上位者が出た。

初日終了時のFantasista3名の順位は以下の通り。

24位 小森嗣彦 5本 3,428g

30位 河辺裕和 5本 2,856g

34位 青木大介 5本 2,436g

全員リミットメイクこそしているものの、ウェイトを伸ばすのに苦労したようだ。

単日トップの本堂選手は7kg弱とぶっちぎり、12位まで4kg台と一見すると「釣れている試合」ということになる。

ところが、ここに落とし穴が潜むことになる。

2kg前半~3kg半ばの選手が多く、「釣れてはいるものの、サイズアップに苦労する試合」という試合のカタチが見えてきた。

Fantasistaチームも見事にそこにハマっている…

ちなみに2016年の野村ダム戦は私自身も出場していた。時期的こそアフターと今回の試合とは違うものの確かにサイズアップには苦労した。

釣れるには釣れるものの、サイズアップ出来ずに予選落ち。この時は小森選手も数こそ釣っていたもののサイズに恵まれずに同じく予選落ちだった。

「不思議な試合だった」と試合後に言っていたが、今回の小森選手はその時の経験を糧にして進歩していた。

◆冷え込んだ二日目

私も二日目昼過ぎから現地入り。寒い!とにかく寒い。

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到着して最初に驚いたのは、”定番”と思われていた本流最上流部にほとんど選手が居ない…

確かに初日の雨による濁りは見てすぐ判るレベルではあったものの、春の定番とも言えるバックウォーター部にこれほど人が居ない野村ダムも珍しい。

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その数少ない青木選手がカバーを撃っているのが見えた。

雨により、上流部の水温は5℃ほど急降下しており、移動しなかったバスはカバーに付かざるを得ない。当然、カバーがセオリーとなる。

実はこの時、カバーで貴重なバスをバラシてしまっていたらしい。水温低下はバスのバイトも弱くなるためだ。

また、初日同様上流部で12位と上位を狙えるポジションにつけた吉田選手の姿も最上流部にあった。

どうやら中下流部に選手が集中しているようで、どのような展開になっているのかが全く想像が出来ない(橋以外はあまり湖面に近づける場所がないため見れなかった)

とにかく、これほど春のセオリーを崩さざるを得ないほどの冷たい風と初日の雨の影響があるようだった。

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会場では何と雹まで降り始めた。とにかく寒い!

桜が散った後なのに防寒着が必要なレベル。これは、湖上に居る選手たちにもさぞ堪えるだろう。

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帰着する小森選手。

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河辺選手の帰着。

二日目の帰着が終わって、ウェイインの間にいろいろと選手たちに話が聞けた。

◆「解らない」

ほとんどの選手の口から発せられた共通する言葉がこれだ。

それだけ自分のやっている釣り方やエリアが「芯を食ってない」感触なのだろう。

もしくは他の選手との差別化が出来ていないかだ。

二日目単日の順位は下記の通り。

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24位 小森嗣彦 5本2,412g

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25位 青木大介 5本2,356g

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29位 河辺裕和 5本2,164g

順位的には初日と非常に似ているのが特徴だ。

総じて言うのであれば、スタンダードな釣りをすれば「リミットメイクは簡単なものの、ウェイトを伸ばすのに苦労する」という試合だということかもしれない。

ちなみに、初日ぶっちぎりのトップだった本堂選手は4本1470gで単日42位と沈み、初日12位の吉田選手はまさかのゼロ申告。

吉田選手は初日同様上流勝負に出たものの、雨による水温低下でバスが上がって来なかったらしい。

逆に初日ゼロの神谷選手は6435gで二日目単日トップというマクリを見せた。

試合というのは不思議なもので、「全く釣れなかったことによる切り替え」が強烈に効く時がある。初日と二日目の首位はまさに対照的だった。

全員狙っているバスはメスのプリスポーナーだということはハッキリしているにも関わらず、それを釣る方法に一貫性を感じていない選手が多かったようだ。

それくらい”春は難しい”ということだ。

◆予選終了

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小森嗣彦選手は22位で予選通過。3日目は総重量制になるので、実質21位。

残念ながら河辺選手は36位(15pts)、青木選手も39位(12pts)でフィニッシュとなってしまった。

青木選手は実に5年振りの予選落ちということで、彼をもってしても攻略しきれない程の難しさだったようだ。

◆決勝スタート

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決勝の朝も冷え込んだ。かなり寒い!

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小森選手のスタート。「分からない」とは言ってはいたものの、戦略の面ではハッキリしている感じだった。

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いつ見てもスタートシーンはイイ。ただ、選手として出場している時は、吐きそうなくらい胃が痛い時もあったりする…これは、ぜひ出場して味わってもらいたい?!

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スタート直後、会場近くでナイスフィッシュを釣りあげる三原選手。

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とは言うものの、やはり上流は不人気。

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会場より少し下流までこの状態。

◆河辺裕和選手

三日目スタート後にブースで河辺選手に話を聞くことが出来た。

河辺選手は初日からインレット近くのカバーを中心にネコリグを撃って行く釣りだった。プリスポーナー狙いの定番だ。

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ロッドはFantasista YABAI! FNC-69MH、ラインはフロロ14ポンドというセッティング。

ストレートワームに5gのネイルシンカーなのだが一見するとベイトフィネスとは言い難い強めのセッティングだが、少々濃いカバーでも入れていく事が可能で、

キャストも重めの方がしやすいためである。

今回はこのヘビー(気味の)ネコリグによるカバー撃ちでリミットは難なく揃ったとのこと。

二日目こそライブウェルからバスが”ロケット”(跳ねて逃げていく事)して、40gほどのロスにはなったものの、それ自体は結果には影響しなかった。

「混じると思ったんだよな~」

これは、河辺選手以外の”ダンゴ”内の選手も全く同じセリフを口にしていた。

キーパーサイズが簡単に釣れるだけに「数を釣りさえすれば良いサイズが混じるだろう」という考えに陥り、そこから抜けられなくなってしまう。

かえって、釣れない方が違う釣りにシフトしやすい。それが、今回の試合の”罠”だといえるかもしれない。

事実、初日ノーフィッシュで最下位の神谷選手が二日目トップに立った。

昨年の桧原湖戦も初日最下位の北選手が二日目単日トップに立った。

これが勝負のアヤというものだ。

だが、実際に現場で出場していると、この流れから抜けるのは相当難しい。何せ、バイトは出てしまうのだから…

◆青木選手

青木選手もイージーに釣れてしまう”罠”にハマった一人だ。

初日はスタート直後からミドストで10投連続で釣れたという具合に”キーパーを釣る事”自体は全く苦にならなかった。

二日間通しでキャストしたのは、そのミドストとワッキーダウンショット。

ワッキーダウンショットにはFantasista Deez FDNS-60XULS MGS "Finnese ZERO"を、ミドストにはスタンダードのFantasista FS-63L MGSを使用したとのこと。

本人もこの”罠”には気付いてはいたのだが、「ルアーやワームの種類、釣り方という方を掘って行ってしまった」と本人が言うように

釣れてしまうことにより追求する方向性を誤ったまま修正できなかったとのことだ。

予選二日間の最大サイズで800gだったらしい。

青木大介ほどの実力者でも春は難しい。

青木選手だけはあまりカバーのみに拘ってはいないように感じた。

それが、釣れたバスの最大サイズの違いを物語っているのかもしれない。

◆三日間を乗り切った小森嗣彦

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直前プラクティスから含めて、「混じらない」事を前提として戦略を組み立てたのが小森嗣彦選手だ。

これはすでに記述した2015年の経験を元にして湖のポテンシャルを分析した結果から立てられた。

2,500g~3,000g、いわゆる「ダンゴ」と呼ばれる集団の中で上位をキープし、それを3日間守り通したと言っていい。

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釣り方のメインはやはりカバーネコ。

Fatnasista STUDIOUS FSNC-67MHにフロロカーボンの14ポンド。

それにストレートワームに2.5~3.1gのネイルシンカーという組み合わせ。河辺選手より若干軽めのセッティングだ。

逆に、2016年の早明浦ダム戦に使用したSTUDIOUS FSNC-65M MGSより1段階パワーのあるロッドを使っている。

早明浦ダムに比べて、野村ダムのカバーのバリエーションが多い事に起因すると同時に、小森嗣彦のカバーネコが進化した結果。

これをカバーの濃さに関係なく打ち込んでいく。軽い分、濃いカバーには入れにくいものの、「薄い場所」をセレクトしてネジ込んでいくのだ。

プリスポーナーはオスメス関係なく、カバーの中でサスペンドしている事が多いのだが、あらゆる物に引っ掛けてシェイクし、またレンジを変えてシェイクする。

そのように地味な作業を繰り返してカバーの中でも「釣れるレンジ」を探していかなくてはならない。

ただ、それだけでは”ダンゴ”の中に埋もれるだけなので、彼は「他の選手よりも更に沢山のバスを釣る」ことを決めていた。

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カバーネコで他の選手よりも数を釣りまくり、言わば「超わらしべ長者」的な作戦で三日目も2166gで単日11位と安定した順位で耐え凌いだ。

三日間通して、釣ったバスの数は何本か分からないレベルの数だったらしい。

数を更に上げることで、初日と二日目はキッカーとも言えるキロアップを入れることにも成功した。

地味な作戦ではあるが、最終順位を18位まで上げ、次戦以降の年間争いにも望みを繋いだのである。

◆カバーネコというトレンド

2018年4月発売の各雑誌には必ずと言っていいほど「カバーネコ」の記事がある。

特にBasser誌に至ってはかなりチカラを入れたカバーネコの特集が組んである。

この野村ダム戦でも優勝の早野剛史選手はやはりカバーネコがメインだった。

私もカバーが比較的薄い三瀬谷ダムや池原ダム育ちなので、「いつかはカバーをしっかりやり込まないとダメなんだろうな~」と思いつつも

ここまで来てしまった。しかし、ここまでカバーネコの力を見せられるとやはりやらない訳にも行かないなと。

やはりプリスポーナーはカバーの中でサスペンドしているのだ。

正直言って、カバーは非常に「面倒くさい」。だからこそ「やれる人」と「やり切れてない人」の差が付くのかもしれない。

私もこれらのタックルバランスを参考に重い腰を上げてやり込んでみようかなと思う。

皆さんもぜひトライして自分のモノにしてみてください!

◆次戦への展望

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野村ダム戦は18位小森選手、36位河辺選手、39位青木選手という”スロースタート”となったFantasistaの3選手。

次は6月の8日~10日の北浦戦となる。時期的にはポスト(アフター)~アーリーサマーという時期で、これまた狙っているバスによっては

コンディションに差が付く時期で面白い試合になる。

北浦などの霞水系は水質的にも「サイトフィッシング」が成立しにくいので、小手先の技術よりも「経験」がモノをいうフィールドだ。

3人共に”慣れたフィールド”だけに初戦のような結果にはならないはずなので、かなり面白い試合になるだろう。

ピュア・フィッシングもブース出展しますので、会場でぜひナマの空気を感じてください。お待ちしております!

2018.5.14